マンステール
修道士たちが作りだしたウォッシュチーズ
味の特徴
まろやかな塩味とクリーミーさが特徴
フランス産
牛乳
白ワイン
日本酒
チーズサイズの目安
チーズサイズの目安
水分量などがチーズによって異なりますので大きさは前後いたします。
原材料:
生乳、食塩
マンステールはフランスの北東部、アルザスを代表するウォッシュタイプのチーズです。
歴史は古く、その起源は中世に遡ります。フランス・アルザス地方ヴォージュ山脈の村で7世紀頃にアイルランドから入植してきた修道士たちによって作られたのが始まりと言われています。マンステールという名前も、フランス語の「修道院(モナステール)」という町の名前に由来しています。
産地のヴォージュ山脈は東西でアルザス地方とロレーヌ地方の境界線になっており、東のアルザス地方では「マンステール」、西のロレーヌ地方では「マンステール・ジェロメ」と呼び分けてつくられています。
塩水で繰り返し外皮を洗っては布巾などでこすりながら作られます。これは、チーズの表面に植え付けている納豆菌と同じ仲間のリネンス菌をコントロールするためです。このリネンス菌が強い香りと独特の風味をもたらます。
外皮がしっとりと湿っていたり、オレンジ色に着色しているのもこのリネンス菌によるものです。
香りはかなり強く、上級者向けのチーズと思われがちですが、味わいはクリーミーでマイルドです。コクとミルクの甘みもあります。食感はやわらかくやさしい口溶けがあり、インパクトのある香りからは想像がつかないほどおだやかです。
熟成の若いものは、身も締まっており、薄いピンクがかったオレンジ色で香りはまだ穏やかで味わいもまろやかです。
熟成が進むと赤色に近いオレンジ色になり、香りは独特な鼻をつくウォッシュ香が強くなり、中身もより柔らかく一層クリーミーになっていきます。
チーズが食べ頃になると表面に白い粒がでてきますが、これはカルシウムの一種が結晶化して目に見える状態になったものですので問題なく食べられます。
地元アルザスではクミンやキャラウェイシードというハーブを合わせるのが定番です。一緒に食べると風味が和らぎ程よいチーズの余韻を楽しめます。
マンステールは香りが強いですが味わいは穏やかなので、華やかでコクのある同郷の白ワイン、アルザス・ゲヴュルツトラミネールやリースリングがおすすめです。
また吟醸酒も相性がよく、お米の持つ自然な甘さがマンステールの個性やミルキーな風味を包み込み美味しさを引き立ててくれます。