ミモレット

※経口ダニアレルギーの方はご注意ください。説明下部「ダニについて」をご確認ください。

「半分柔らかい」という意味のフランス語である「ミ・モレ」に由来すると言われていて、フランス北部の町「リール」で生まれたチーズです。17世紀ごろに誕生し、もともとは「エダム」というオランダチーズの代用品として扱われていました。

ミモレットは、温めた牛乳と乳酸菌、植物由来のアナトー色素、レンネットという凝乳酵素を混ぜて固めたカゼイン（乳たんぱく質）から作られるチーズです。
水分を取り除いたカゼインを熟成させて作られるミモレットはその硬さが特徴で、表面にシロンというコナダニを繁殖させて熟成させます。
ヒトを刺すダニとは別の種類です。（シロンはさまざまな食品につきカツオブシやチョコレートから発見されることもあります。）

チーズの表面に生えるカビを餌にしており、チーズの脂肪分を分解するカビを食べて除去します。ごつごつとしていて粉がしっかりついた状態のミモレットはシロンが活性化している証拠でシロンが作る表皮の凸凹によって表面積が増え、水分コントロールをしながらチーズの熟成が進みます。
チーズ自体が熟成するにつれ水分が抜け、硬く締まっていきます。また、シロンによって特有の香味成分が分泌されチーズに複雑さが増します。

 ミモレットは熟成別に名前があり区別され、風味の違いを楽しむことができます。Jeune（ジュンヌ）：熟成2～6ヶ月
Demi Vieille（ドゥミ・ヴィエイユ）：熟成6～12ヶ月
Vieille（ヴィエイユ）：熟成12～18ヶ月
Extra Vieille（エクストラ・ヴィエイユ）：熟成18～24ヶ月
こちらのミモレットはDemi Vieilleです。

若いうちはマイルドでクセはあまりありませんが、熟成が進むと「味噌」や「キャラメル」、「ナッツ」、ボラの卵巣から作られる珍味の「からすみ」に似た複雑性のある味わいになります。その味わいから日本酒にもよく合います。

ワインではフランスの北部で造られたものがよく合い、ピノ・ノワールがおすすめです。フルーティーな白ワインも相性が良いです。

ミモレットは、旨味とコクがしっかりあることから、アルコール度数が高いポートワインなどにも合わせらます。

 ※ダニについて

日本で販売されているミモレットの場合、輸出段階でダニ（シロン）をすべて払い落とされますのでダニ（シロン）はそもそもほとんどついていません。仮に食べてしまっても人体には基本的には被害はありません。

またミモレットは「外皮は食べずに、中身部分のみを食べるチーズ」ですのでダニ（シロン）の及ぼす健康被害については過度に敏感になる必要はありません。

しかし「経口ダニアレルギー」の方はご注意ください。

小麦粉などに混入したダニを経口摂取で取り入れることによって起きうるアレルギーで体調の異変が起きる可能性は否定できません。